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  • 菊池捷男

3.変化を続けるべきか、原点に復帰するべきか、それは問題か?

2020年1月にアメリカのサンディエゴで開催された国際協議会(ガバナーエレクト研修会)で、2020-21年度国際ロータリー(RI)会長のホルガー・クナーク氏は、基調講演の冒頭で、コダック(世界最大の銀塩フイルムのメーカーで、売上規模は富士写真フイルムの4倍もあったが、カメラのデジタル化の時期を見誤り倒産した)の例を引いて、変化できない者は破綻する、ロータリーは変化しなければならない、と説かれました。

たしかに、ロータリーは、近年大きく変化してきております。

かつてロータリークラブの会員は、一業種一人が原則であったものを、今は人数制限をなくしています。それだけでなく、ロータリーの会員は、職業人から成る原則を、職業人でなくとも奉仕をする人ならよしとしました。

さらには、ローターアクトクラブも、ローターアクターの奉仕の力を評価して、国際ロータリーの会員有資格者とするなどしました。

ここからも分かるように、ロータリーは、近年、大きく変化しているのです。

ホルガー・クナーク氏は、このロータリーの変化を、当然のこととしています。

しかし、ロータリーの変化に異を唱えるロータリアンもいます。

国際ロータリー第2700地区2005-2006年度ガバナー廣畑富雄氏もその一人です。

廣畑パストガバナーは、その著書である「ロータリーの心と原点 Back to Basics」(改訂第8版。2018年6月発行)の中で、“ロータリーは慈善団体ではない。会員間の友情を格別大事にする団体だ。”と述べられ、奉仕に傾斜する今の国際ロータリーを批判されているのです。

ロータリーは変化を続けるべきか、原点に復帰するべきか、これは問題か?

多様性をロータリーの中核的価値観の一つと考えるロータリアンからすれば、この路線の対立につき是々非々を論ずる必要はないと考えます。

ポール・ハリスの言うように、ロータリーに対する回答は、ロータリアンの数だけあるのですから。変化を続けるべしというロータリアンがいても、原点回帰を訴えるロータリアンがいてもよいということになります。

いな、意見の違いや対立がある方が、だいぶ良いと、私は思います。

思想の一枚岩は、歴史に照らしても、決して良い結果を生むことはないからです。


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