菊池捷男10.親睦と多様性直前まで、激しい意見の対立を見、合意に至らなかったことが、食事会を開き親睦の機会をつくったことで、合意に達した例があります。 次に挙げる例は、実に厳しい国家間の意見の対立が、食事会をした結果、解消した例です。 1941年に、イギリスとソ連の首脳間で、対独戦をいかに戦うかにつ...
菊池捷男9.庭訓や経営理念(哲学)こそが七歩の詩ロータリアンには、高い倫理観をもって今を生き、先を見るに敏なる人など、若い人たちの師表と仰がれている人が、実に多くおられます。 そのような人たちは、家憲や庭訓(ていきん)、社是、社訓などを掲げ、生き方ないし哲学、あるいは経営理念を明らかにしているのです。...
菊池捷男8.職業奉仕と七歩の詩ロータリーでは、「職業奉仕」が極めて重要です。その重要さゆえに、早くから「道徳律」が定められ、「四つのテスト」を毎例会で唱和しているのです。 しかし、ロータリー章典に書かれた「職業奉仕」は、「あらゆる職業に携わる中で、奉仕の理念の実践をロータリーが培い、支援する方法である。...
菊池捷男7.多様性を受け入れることの効果これは私の経験談です。 会議体で、一人の委員が甲論を吐き、別の人が乙論で反駁する、ということはよくありますが、物事を決めるための会議体での、相手を説き伏せようとする口論(こうろん)乙駁(おつばく)は、いたずらに時間がかかるのみで、決してよい結果を生むものではありません。...
菊池捷男6.多様性は、管見とバイアス(偏見・先入観)を忌む管見とは、管(かん)を通して世界を眺める見方をいいます。広い世界がまるで見えない狭量な考えをいうのです。 管見の持ち主は、容易にバイアス(偏見・先入観)の虜にされ、井の中の蛙か、鳥なき里のコウモリになり下がるように思います。多様性が、最も忌むものは、管見とバイアスであると考...
菊池捷男5.私の多様性実践論 「誉誉褒褒(よよほうほう)」と「プラスの言葉」「誉誉褒褒(よよほうほう)」という語は、「毀誉(きよ)褒貶(ほうへん)」という言葉をもじった私の造語です。 人は、どんな立派な人でもそしられ、貶(けな)される面があり、また、どんなに否定的に見られる人でも褒められるところが一つや二つはあることを思えば、毀誉褒貶(褒められると...
菊池捷男4.寛容の心私にとっての多様性とは、周回遅れの私でも、ロータリアンにしていただいたこと、さらにはガバナーに選任していただいたこと、であることは前述しました。この事実は、他のロータリアンの寛容の心があってのことにほかありません。 すなわち、多様性を受け入れることは、寛容の心と言い換えるこ...
菊池捷男3.変化を続けるべきか、原点に復帰するべきか、それは問題か?2020年1月にアメリカのサンディエゴで開催された国際協議会(ガバナーエレクト研修会)で、2020-21年度国際ロータリー(RI)会長のホルガー・クナーク氏は、基調講演の冒頭で、コダック(世界最大の銀塩フイルムのメーカーで、売上規模は富士写真フイルムの4倍もあったが、カメラ...
菊池捷男2.私にとっての多様性私にとって、多様性とは、周回遅れの私でも、ロータリークラブの一員として受け入れられたということです。それのみならず、ガバナーに選任していただいたということです。 実は、この私、後先のことをよく考えないで行動する、いたって軽い人間ですが、同時に、後先のことが分かってくると、そ...
菊池捷男(補説)楚漢の戦いで活躍した大廈の材の二例張良の場合 項羽軍と劉邦軍が、まだ秦を討つための友軍であった時期のことです。 秦の都・咸陽へは、先に劉邦軍が入ります。それを知った秦の3世・子嬰は、劉邦のところまで「城下の誓い」(城を明け渡して降参する意味)にやってきます。このとき張良は劉邦に、子嬰を殺すこと、阿房宮に入っ...
菊池捷男1.ロータリーは、多様な、大廈の材の淵藪大廈(たいか)の材は一(いっ)丘(きゅう)の木にあらず」という言葉があります。 意味は、宮殿のような大きな建物は、その辺りにある小さな山(丘)の木でできているわけではないというものですが、ここから転じて、大をなす組織は必ず、大廈の材すなわち多くの優れた人材によってつくられる...
菊池捷男多様性論 序に代えて国際ロータリー(RI)は、2010年11月理事会決定38号をもって、次の5項目を、ロータリーの中核的価値観として採択しました。 この5項目の価値観は、次のような特徴があるように思います。 〈ロータリーの中核的価値観 〉〈特 徴〉...
菊池捷男ごあいさつロータリーに正解はない 善意と寛容と奉仕の心があれば、それがロータリーだ -私が「多様性論」を書こうと思った理由- 私は、国際ロータリー第2690地区の2020-21年度ガバナーになった者です。 本来、ガバナーは、ガバナー年度に入る前、数回にわたって、担当の地区でロータリー...